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2002年4月1日、自宅から携帯に電話が入った。

電話に出ると奥さんからだった。
「義父さん、癌だって。」

最初、「は?」というのが正直な感想で、とりあえずその日は仕事を普通に終え、帰宅途中でいろいろ考えていた。

「あ、ひょっとして!!」

奥さんの実家はウィットに富んでおり、去年もだまされた。そう、エイプリルフール。

勝手に、「あぁ、良かった。」と胸をなでおろしつつも、冗談にしては度を越えている・・・、などと勝手に怒りさえ湧いてきた。

当時、自宅の隣が姉の家だったのでまっすぐ帰らず、一度姉の家によって、詳しい話を聞いてみたのだが、いつまでたっても「やぁ~い、引っかかった!!」という落ちが出てこない。出てくるのは、入院したという話や、親父から届いたFAXだった。

そしてそのFAXの送信日時は3月31日・・・、事実だったのだ。

いろんな事を考え、いろんな事を調べ、いろんなやらなくてはいけないことを洗い出していた。でも結局その全てに回答があるわけでもなく、その全てに全て考えさせられていた。そして、結局何も手につかず、結果的には何も出来なかった。
辛い事や、嫌な事を表に出すことが大嫌いな自分は、普段どおり、平静を装うのが精一杯だった。

何度か奥さんからの携帯が鳴り、「あれやった?」「どこどこに連絡した?」と聞かれたがどれひとつとしてこなしていない。そのうち、その電話さえ鬱陶しく感じ始めていた。

そんな自分を見かねたのか、病院を調べ親父と直接話をすることが出来た。

電話口にはいつもと何ら変わらない親父がいた。

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